竹籠stool_お庭で使える軽やかなスツール(受注生産)
¥36,300
SOLD OUT
竹林面積日本一の鹿児島県は竹工芸が古くから盛んです。伝統工芸を今も静かに守り続ける竹職人と、鉄家具のエキスパートのコラボレーションによって生まれたスツール。繊細なフォルムですが、屋外でも使用できる頑強さを兼ね備えています。
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■サイズ
H:450mm Φ:300mm(座面)
■素材
【座面】竹:鉄線編み・タガ(鹿児島市竹工芸振興組合 川添浩史/鹿児島県)
【座面】鉄:脚(杉山製作所/岐阜県)
■デザイン
長田 友紀 nagata yuki(株式会社ベガハウス)
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※竹職人による手仕事の商品のため、完全受注生産にて販売しております。商品の発送まで、1ヶ月ほどお時間を頂く場合もございます。予めご了承ください。
海外のデザイン品評会で高い評価を得た「竹籠stool」
イギリスの権威あるデザイン品評会“dezeenアワード”のファニチャー部門にて、最終選考まで残った“竹籠stool”。この作品を作ったのは〈ベガハウス〉プランナーの長田友紀です。長田はスツールを製作するにあたり、「まず、外で使える、汚れに強い、味わいが増す、手軽に持ち運べる、スタッキングできる。この5点をクリアするスツール」をつくることに決めたと言います。そこから「軽く、水にも比較的強く、素材は伸縮性あって、地域性があるもの」を、と考えていったそう。
スツールに地域性を求めるのは、ベガハウスで地域を大切にしながら仕事をしているからこそ発想。なかでも長田は「竹を選びました。鹿児島は竹林面積が日本一なんです!」と言い、自身のプロジェクトテーマとして「竹のしなやかさと丈夫さにチャレンジする」を掲げました。そして、竹をどうスツールにするか検討を進めます。

製作期間一年以上。試行錯誤の日々を経て、現れた救世主!
「竹をそのまま使うと和の印象が強すぎますし、民芸品のようになってしまう。薄い合板にすると反ってしまうし、集成材は重くなる。そもそも座面にしたときの強度が心配…。いろいろと検討はしていたのですが、かたちがまとまらず一年が経ってしまいました」と長田。竹の使用を断念し、ほかの素材を検討したことも。
しかしその“浮気”が、再起のキッカケになります。「スツールを製作するにあたっての検討も、検証も、愛も足りなかったと気づいたんです」。あらためて製作を始めたころに書いたメモを見返し、初心に返ります。
そののち、“竹を編んで強度と柔軟性を担保する”というアイデアに行き着くものの、「編んでくれる職人さんがなかなか見つからない」という新たな問題が発生。しかし、あきらめることなく、竹産業振興センターへ通い詰めます。そこで出会ったのが竹職人・川添さん。
鉄骨の脚に水を切るザルをのせるイメージのスケッチを見せたときは、首を傾げられたそうだが、「“でも、やってみよう”と言っていただいたんです。川添さんは救世主です!」と長田は言い切ります。



竹のよさを活かした編み方、座面と脚の接合部について
「竹の編み方について学び、せっかくなら竹のよさを活かして日が当たったときに影が美しく出る編み方にしました」。座面は鉄線編みという編み方に決まります。
その後も座面の歪みをどうするか、鉄の脚との接合部をどうするかなど、課題が次々と浮き彫りになりますが、座面の枠は「タガ」という技術を用いることで解決し、接合部分は「シンプルに鉄の枠にのせる」ことでクリアしました。
スツールの鉄製の脚は岐阜県にある杉山製作所に依頼。スマートで丈夫なスタッキングができる脚を叶えてくださいました。

プランナーの家具製作から得た大きな成果とはなにか?
「鹿児島が竹林面積日本一であることを、みなさんに知ってもらいたい。日本の竹職人さんや製鉄所のすばらしい技術を広く伝えていきたい」という想いから、長田はコンペへの出品を決めます。
結果、イギリスのデザイン品評会“dezeenアワード”のファニチャー部門にて、高く評価されました。家具デザイナーの村澤一晃氏は、長田個人について「周りの人を巻き込みながらひとつの家具をつくっていく、こういう製作の仕方ができるのは彼女独自の力」と評し、その結果として「海外のコンペでファイナリストになり、ベガハウスの外側の人たちが作品を通じてベガハウスという会社に興味をもったというのが大きな成果」と話してくださいました。
【地域工務店発信のプロダクト】
工務店と言えば、地域密着型の施工をコツコツ行う会社、というイメージをもたれる方が多いかと思います。ベガハウスもそれに当てはまる工務店なのですが、さまざまな取り組みのひとつに同業者からもと驚かれるものがあります。それはプランナーの家具製作。
普段、ベガハウスのプランナーとして仕事をしながら、業務時間内に家具を企画し、製作、商品化までに至っているのは、実は工務店としてはとてもめずらしいことです。この活動は、家具デザイナー・村澤一晃氏からも高く評価されています。
